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★ 「敬語」は時代によって変化するもの はっきりいって、正しい敬語は誰も使えません。なぜなら正しい敬語は、時代が進むにつれて、消えていくものだからです。 たとえば上流の女性が、 「すてきなコートをお召しですね?」 「とんでもございません」 と話していたら、すばらしい日本語だなあ、感心しませんか? しかし正しい敬語となると、「とんでもございません」は間違いなのでそうです。 本当なら、 「とんでもないことでございます」 と、いわなくてはならないのです。 しかし、いまどき、こんな表現はいかに正しい敬語でも使いません。間違った表現であっても「とんでもございません」が最高の敬語でしょう。「そんなことありませんわ」だって、使える人は少ないくらいですから。 このことは、まず私たちに安心感を与えてくれます。 実は間違った使い方でも、むしろ丁寧と思われるものもあります。 「初めてお手紙差し上げます」 これは自分の手紙に「お」を付けることになり、誤用ですが、「初めて手紙差し上げます」と書くと、いかにも失礼に感じてしまいます。 「お酒、お召し上がりになりますか?」 も、そうです。 「お酒」と「お召し上がり」で二重敬語になるため、「酒を召し上がりますか?」「お酒、飲みますか?」が正しいとされますが、そんな表現、あなたにできますか? たとえ二重敬語になっても「お酒、お召し上がりになりますか?」と使って、一向に差し支えないのではないでしょうか。 ★ 人に好かれる言葉の発声法 上品さとは、ムリに敬語を使うことではなく、言葉の発声のしかたです。 たとえば、上品な人は、教室で先生に呼ばれて「ハイ」と答えますが、下品な学生ほど「ハーイ」と間延びさせたり、怒ったような返事をしたりするものです。 また、どんなに正しく言おうとも、単に言葉を発しているだけの場合もあり、 「あーら、奥様、すてきなお髪でいらっしゃいますこと」 など、いかにも皮肉っぽく聞こえるようなしゃべり方では、かえって下品、下司に思われてしまいます。 言葉は話すときでも聴くときでも、上品さがあるかどうかは、話す人、聴く人、その人の態度そのものなのです。 |
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