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★ 涙が涸れるまで泣いたあとには 最近の女性に深みがなくなったのは、人の死に出合わなくなったからだ、と聞いたことがあります。 たしかに長寿社会になって、家族の死に、なかなか出合えなくなりました。泣いて泣いて、涙が涸れるほど悲しくなる経験は、ほとんどなくなりました。 だからこそ、他人の物語で泣く以外ありません。テレビや書籍を見ると、ガン、身体障害、事故など、悲しい話が多くなっています。 韓国ドラマも、シェークスピアの恋愛悲劇「ロミオとジュリエット」の焼き直しで、家族の反対など、越えるに越えられないしがらみが、愛する二人の行く手をはばんでいます。 もちろん、これを見たり読んだりするのはすばらしいことですが、できれば自分自身で、よろこびと悲しみを経験すべきでしょう。 あなたがこの感情を経験するとしたら、恋愛、結婚、出産、離婚などです。 最近の高校生の「異性とのつき合い方」調査を見ると、最短で知り合って二日目にエッチするそうです。最多数は、知り合って三ヶ月以内のエッチですが、これでは快楽はあっても、本当のよろこびはもてません。だから別れるにしても、涙が涸れることなんて、あるはずがないのです。 よろこびは爆発です。抑えに抑えたものが一挙にほとばしる、あるいは我慢に我慢を重ねてきたものが、ある日突然噴出するからこそ、よろこびは二倍にも三倍にもなるのです。こういったよろこび、悲しみを経験すると、不思議なことに、内面性が次第にできていくのです。 たとえば、外側の顔は、さほど美しくなくても、内からにじみ出てくる心の美しさによって、男は圧倒されるのです。 ★ 心に響く出来事が心を育てる 芝居を観ていると、主演は美しい女優が起用されるのがふつうですが、脇役に人を得ると、すばらしい展開になります。 脇役の女優は、顔立ちにおいては主演女優より劣りますが、演技力は主演を凌ぐものです。その演技は、内側からにじみ出る魅力によって断然光るのです。 私たちは一回しかない人生ですから、主役をつとめたいのは山々です。しかし、残念ながら、脇役人生を歩く人のほうが多いのも事実でしょう。 そのときは素直な心で、主役を生かしてやりたいものです。 結婚しても、夫と互角、あるいは夫より社会で光り輝く妻もいますが、夫の脇役として主役を支える立場に立つ妻のほうが多いはずです。 この時期には、かつての美しさは少し翳ってくるかもしれません。だからこそ、内面の心の美しさが、夫を安心させるのです。 外側の美しさも翳り、内面の美しさもないとしたら、夫が離れていくのは仕方ないのです。もちろん、反対のケースもあるわけですから、妻が夫を捨てることもありうるのです。 小さな不幸、大きな不幸、さまざまありますが、それは心に響く出来事であり、だからこそ心が育つのです。 では身内の不幸がない人はどうなんだ!といわれそうですが、そのときは内面の優しい人をメンターにするのです。メンターとは、心の師とでもいうべき人ですが、そういう心の教師によって、育てていってもらうことです。この人は男でも女でもかまいません。 |
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