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★ 美を磨く、美を蓄える基礎作り ひとりの時間は美しさを磨くといわれていますが、それはひとりで考えごとをしていたり、ひとりで対象物に見入っているときの額は、どんな人でも真剣だからです。 真剣ということは、顔の皮膚の下に張り巡らされている神経と筋肉を、ピンと引っ張ることになります。若い筋肉はすべて横に引っ張られており、だから若々しく美しい顔を作り上げています。 ところが、「あれが欲しい、これが欲しい」となると、目元と口元の筋肉がゆるみ、だらしない顔になります。 もっともわかりやすい例として、子どものときの食べものを欲しがった顔をしてみましょう。右手の人差し指を口元に持っていって、よだれを垂らしていませんでしたか? また何人かで話していて、怒ったり悪口をいいたくなることがあるでしょう? すると目が吊り上がり、口元が歪んで、どちらかに曲がるはずです。 欲しいものがあったり、自己防衛するときには、必ず筋肉はタテに伸びようとします。これによって不自然なしわや歪みが、あなたの顔に表れるのです。 それは社会で生きている以上、誰でも避けるわけにはいきません。 しかし、一日に一時間といわなくても、一週に一時間でも、自分ひとりの静寂な時間を持つと、その週に貼りついた、いやな顔の歪みが消えていくのです。 これが美を磨く、美を蓄えると基礎となります。 ★ 心をなごませてくれる一品 このとき、わざわざ京都や奈良に出かけなくても、自分の部屋に日本画をかけて、ときどき眺めてもいいのです。 あなたは洋画より日本画のほうが、値段がはるかに高いことを知っていますか? これだけは洋風化した日本でありながら、洋画より日本画のほうが断然価値が高いのです。なぜでしょうか? 理由は簡単です。日本画の名画を欲しがる客が、圧倒的に多いからです。 ではなぜそんなに日本画を欲しがるのか、不思議に思いませんか? 日本人は家庭で絵を見るとき、ただ美しい、すばらしいというだけでなく、必ず心の静寂、あるいは心の緊張を求める民族だからです。 それを洋画に求めるのはむずかしく、結局、展覧会では世界の名画を鑑賞しますが、自分の家には、日本画をかけたいと思うのです。 苦しいとき、悩んだときこそ、日本画に描かれた人物像や風景画が、きっと心を和ませてくれるでしょう。それは有名画家のものでなくてもいいのです。 また、有名画家の版画でもいいし、印刷物でもいいのです。 もしあなたが茶道、華道、書道など、日本の芸術に親しんでいるなら、なおさらです。 そのときは、将来を期待される新人の日本画を見つけて、小さい絵でも本物を買っておくことです。 |
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