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★ 活動的な美から、優雅な美しさへ 女性であれば、結婚願望の中に、長く裾を引いたウェディングドレスや、同じく裾の長い打掛を、白無垢の花嫁衣裳の上から羽織りたい、という願いがあるのではないでしょうか? 極端にいうと、結婚そのものより、その衣装を着たい欲望のほうが、強い人もいるでしょう。この女性の願望の中には、洋の東西を問わず、裾を長く引く衣装が、もっとも美しさと上品さを出せる、という意識があるのではないでしょうか。 自分自身を大きく見せるとともに、浮遊、飛翔する感覚世界を広げられるからです。 わかりやすくいうと、ローブ・デコルテや十二単、打掛などは、その人の価値や地位を上げさせ、夢を大きく広げさせるものだ、ということでしょう。 だから、ふだんそれは美しくない女性でも、ウェディングドレスやローブ・デコルテを身にまとったら、威厳も出るし、瞳がキラキラ輝いて、夢見るような美しさが、内面から湧き上がってくるのです。 もしあなたが、いつも短めのスカートをはいているようなら、思いきってロングスカートにはき替えてみてはどうでしょう。 これだけで活動的な美から、優雅な美しさに切り替えることができるはずです。 寝間着でもパジャマをやめて、ネグリジェにしてみませんか。 たったそれだけで、あなたの美しさが一段高まるはずです。 それはロングドレスやウェディングドレスと同じで、ゆるやかにつくられており、くるぶしまでの長さのものが多いので、その人の価値や地位を一段と上げさせる、と考えられているからです。 ★ 物語を語る美しい指を目指そう ふつう、上流階級の女性なら、パジャマは着ないのが通例です。それでは優雅さが出ないからです。 もともと、くるぶしまで隠す衣装は、すべて神仏や王様の前で、不浄な部分を見せないところから発展してきました。 フラダンスにせよ、宮廷バレエ、フラメンコ、あるいは日本舞踊にせよ、これらの踊りの衣装はすべて、基本的にくるぶしまでの長さですが、できれば若いうちに、これらのうちの一つでも、習得しておくことをすすめます。 ほんの小さな挙措、動作にも、踊りの中の優美さが入るからです。 特に客にお茶を出す際の指の美しさは、踊りを習った人にしか出せません。世界中のどの踊りであっても、指によって物語を語るからです。 なかには、指先に神が降りてくる東南アジアの舞踊もあるほどで、だからこそいっそう、指の動作が優美になってくるのです。 ロングドレスの優美さは、手の指の美しさがあって、初めて気品を備えるのです。 その気品は、まだ若いあなたに出なくてもいいのです。むしろ中年になって出ることが望ましい、といえるでしょう。 若さは、ときに美しさだけで十分であり、たとえ上品さがなくても、活動美、躍動美で、その欠点を補うことができます。 しかし中年になって、花の美しさがしおれかけてきたときに、内面からにじみ出る上品さがなかったら悲劇です。それこそ、一朝一夕に蓄えるわけにはいきません。いまのうちから準備しておかないと、誰からも振り向かれない、中年以降のさびしい人生を送ることになるのです。 |
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